※「今月の言葉」は、山門と通用門脇の各掲示板に毎月初めに掲示します。
「無明[むみょう]の闇[あん]を破[は]するゆえ 智慧光仏[ちえこうぶつ]となづけたり」 (親鸞聖人「浄土和讃」より)
今年の、この上段の言葉は、真宗教団連合※発行の2017年版「法語カレンダー」からご紹介します。それらはすべて、親鸞聖人作の「和讃わさん」から選ばれています。
「無明むみょう」とは、真理に暗く、“縁起えんぎ”の道理を知らないことをいい、あらゆる煩悩の根源となります。仏様の智慧の光に照らされたとき、その闇が破れるといいます。自分の力を頼りにしてどれほどのことができるのでしょうか。せめて、時には自分以外の物差しを当ててみたいものです。
※ 真宗教団連合は、真宗十派(①浄土真宗本願寺派・・・西本願寺 ②真宗大谷派・・・東本願寺 ③真宗高田派 ④真宗仏光寺派 ⑤真宗興正派 ⑥真宗木辺派 ⑦真宗出雲路派 ⑧真宗誠照寺派 ⑨真宗三門徒派 ⑩真宗三元派)で組織されています。
「生きる喜びにめざめさせてくださるのが ほとけさま」 (東井義雄師)
下段は、今年は東井義雄師の言葉です。師は兵庫県出身(1912-1991)の著名な教育者(主に小・中学校 校長先生もなさった)で、浄土真宗僧侶。
この頃はすぐ「絆」という言葉を使いますが、目に見える実在の人、同じ時代に生きる方とだけではなく、ほとけさまになられた方との対話、過去の方との対話も重要なのでは。実はそういう方と確実につながっている。身近なほとけさまのとの対話から自分の生かされている位置(意味)がわかり、そこに生きる喜びに目覚めるヒントがあるように思うのですが・・・。
宗圓寺墓地入口にある東井先生の言葉 |
〈1月は“ご和讃”について〉
今年の「今月の言葉」は親鸞聖人作の“和讃”からです。聖人の著作は普通漢文で著されていますが、「和讃わさん」はひらがな交じりの和文による七五調の歌で、平易な言葉でみ教えを伝えようと晩年になって作られました。浄土和讃、高僧和讃、正像末和讃(以上「三帖さんじょう和讃」)など約500首あります。
最も有名で親しまれている「如来大悲の恩徳は 身を粉にしても報ずべし 師主知識の恩徳も 骨をくだきても謝すべし」の恩徳讃[おんどくさん]もその一つです。