今月の言葉(2018年10月)
※「今月の言葉」は、山門(A)と通用門(B)の各掲示板に毎月初めに掲示します。
(山門脇の「言葉」は、真宗教団連合発行の「法語カレンダー」より)
※恥ずかしながら、住職が揮毫した「言葉」を掲示しています。
今月の言葉(A)
「煩は身をわずらわす 悩はこころをなやますという」
(親鸞聖人著『唯信鈔文意』より)
現代語訳
「煩」は身をわずらわせるということであり、「脳」は心をなやませるということである。
※煩悩・・・梵語クレーシャの意訳。惑とも意訳する。衆生はこうした煩悩によって業を起こし、苦報を受けて迷界に流転(輪廻)する。そのため、煩悩を滅したさとりの境地にいたることが仏教の究極的な実践目的とされる。
※業・・・梵語カルマンの意訳。広い意味での行為、
結果を引き起こすはたらきをいう。仏教では、それ以前の宿業論的な業の働きではなく、様々なご縁によって成り立つ自己ととらえ、運命的・固定的に自分の存在を考えない。
※輪廻・・・梵語サンサーラの意訳。流れるの意味。車輪が回転してきわまりないように、六道(地獄・餓鬼・畜生・阿修羅・人間・天)の迷いの世界を生まれ変わり死に変わりし続けること。
※『唯信鈔文意ゆいしんしょうもんい』・・・宗祖が、同じ法然門下の先輩にあたる聖覚の著わした『唯信抄』について、その題号および引用された経釈の要文に註釈を施したものである。
今月の言葉(B)
「いくたびか お手間かかりし 菊の花」
(加賀 千代女師)
平面的に読めば、菊がりっぱな大輪の花を咲かすまでには小さい鉢から大きい鉢へと段々と植え替え、いろんな肥料をやり多くの手間がかかるということでしょう。けれども実は、この見事に咲いた大輪の菊の花を眺めて、自分自身のことを味わっていらっしゃるのです。だから「お手間」なのですね。自分が菊作りのために手間をかけたというだけではなくてこの自分が、今の本当に疾風怒濤の波乱万丈の人生の果てにようやくこの安らぎをいただきました。いろんな人、有縁の方々、そして仏様のご縁に遇ってようやくこの安らぎの心境を頂戴しました。そういう感動の句です。
以上は、『ぎんなん文集』50号(昨年11月23日の当寺報恩講での渡辺悌爾先生の法話を収録)より要約
※加賀千代女・・・石川県出身、1703~1775。江戸時代で最も有名な女性俳人。法名素園。石川県白山市の真宗大谷派聖興寺には千代女記念館「遺芳館」や千代尼塚があるので、その寺のご門徒であったのだろう。「朝顔に釣瓶とられてもらいひ水」の句が有名。
《 “AMD48” をご存知?》
“AKB48”ならぬ“AMD48”をご存知ですか。住職が勝手に命名したのですが、AMiDa48、つまり『仏説無量寿経』にある阿弥陀仏の「四十八願」です。浄土真宗のご本尊である阿弥陀仏が仏になる前の修行中、48の誓願を建て、その願いが実現しないうちは仏にならないと誓われました。“本願”といわれる18番目の願(第十八願)が特に重要で、「すべての人をお浄土に生まれさせる」と誓われた“願”です。