今月の言葉(2019年12月)
※「今月の言葉」は、山門(A)と通用門(B)の各掲示板に毎月初めに掲示します。
(山門脇の「言葉」は、真宗教団連合発行の「法語カレンダー」より)
※恥ずかしながら、住職が揮毫した「言葉」を掲示しています。
※2019年1月より、A3用紙に仏教に関する内容を簡単にまとめ、「A3仏教」と名付けて上記掲示板に掲示することにしました。若干手を加える場合がありますが、ここにも掲げることにします。
今月の言葉(A)
「信心あらんひと むなしく生死にとどまることなし」
(親鸞聖人作『一念多念文意』より)
現代語訳

信心を得た人は、いたずらに迷いの世界を生れ変り死に変りすることはないということである。
※『一念多念文意』[いちねんたねんもんい]・・・親鸞聖人は、専修念仏は一念多念のいずれにも偏執しない、念仏往生の義であることを明らかにし、この書を著した。法然聖人門下の隆寛著『一念多念分別事』を註釈したものである。『一念多念証文』ともいう。
※一念多念・・・浄土往生は信心一つで決定する、または1回の念仏だけで決定するとし、その後の念仏を軽視する一念義の説と、一生涯、数多くの念仏を称え、臨終来迎(臨終時に阿弥陀如来がその人を迎えに来ること)をまって浄土往生が決定するという多念義の説。または、両者の論争のこと。
今月の言葉(B)
「遺産なき母が 唯一のものとして残してゆく死を
子らよ受けとれ」 (小説家 岡本かの子師)
一般に遺産相続といえば、動産・不動産を問わずいわゆる財産でしょう。それはマイナスのものも含まれるのですが、この頃よく聞くのは「子どもに負担をかけないように〇〇をやっておく」という言葉です。少しでも子どもの生活を楽にしてやろう、というのが親心で、親が万が一の時の支出も生前に支払えるものは支払っておこう、ということもよくおっしゃることです。
そういう目に見える遺産はきちんと相続方法などが定めてあるのですが、しばしば争いの元になったり、意外と子どもを育てないような気がします。
親の最大の役目が子どもを育てる(一人前にする)ことだとしたら、親が身をもって生きる基(もとい)を示し、相続させたいものです。
残念ながらそれは目に見えず、相続方法などもしっかりと定められていません。数字で表されていません。でも、それは何分の一ずつかに分ける必要がなく、兄弟が何人いてもそれぞれが親の遺産を丸ごと相続できるのです。相続税の課税もなく、従って、節税対策もいりません。何と効率の良い遺産相続でしょうか。
※岡本かの子・・・1889~1939、東京生まれ。大正、昭和期の小説家、歌人、仏教研究家。漫画家岡本一平と結婚し、芸術家岡本太郎を生んだ。なんとも不思議な結婚生活を送った。
《法事は遅らせてはダメ?》 …A3仏教 2019.12
ご法事(1周忌、3回忌…)はその方のご命日にお勤めするのが本来ですが、お参りに来られる方のご都合やらを考慮して、ご命日以外の日に勤めることがしばしばあります。
その場合は普通、ご命日より繰り上げてお勤めします。
「法事を繰り上げる」という習慣には、一旦遅れると次から次へと予定が入ってつい、ご法事を行わずに過ごしてしまうことになりかねないから、そうならないようにという戒めの意味が込められています。
つまり、ご法事はそれほど大切なこと、という意味でしょう。
従って、ご命日の後に遅れて行うことは絶対にダメということではなく、場合によってはそういうことがあるかもしれません。もしご命日までにできなかった、あるいは忙しさのためについ忘れていまった時などは、思い出した時に必ずお勤めしましょう。「忙」は心(リッシンベン)を亡くすと書きます。
そして最後に「今月の言葉(B)」に関連して言えば、ご法事を勤めることはきっと子どもさん方に相続させるべき素晴らしい遺産になるのだと思います。
※「今月の言葉」は、山門(A)と通用門(B)の各掲示板に毎月初めに掲示します。
(山門脇の「言葉」は、真宗教団連合発行の「法語カレンダー」より)
※恥ずかしながら、住職が揮毫した「言葉」を掲示しています。
※2019年1月より、A3用紙に仏教に関する内容を簡単にまとめ、「A3仏教」と名付けて上記掲示板に掲示することにしました。若干手を加える場合がありますが、ここにも掲げることにします。
今月の言葉(A)
「信心あらんひと むなしく生死にとどまることなし」
(親鸞聖人作『一念多念文意』より)
現代語訳
信心を得た人は、いたずらに迷いの世界を生れ変り死に変りすることはないということである。
※『一念多念文意』[いちねんたねんもんい]・・・親鸞聖人は、専修念仏は一念多念のいずれにも偏執しない、念仏往生の義であることを明らかにし、この書を著した。法然聖人門下の隆寛著『一念多念分別事』を註釈したものである。『一念多念証文』ともいう。
※一念多念・・・浄土往生は信心一つで決定する、または1回の念仏だけで決定するとし、その後の念仏を軽視する一念義の説と、一生涯、数多くの念仏を称え、臨終来迎(臨終時に阿弥陀如来がその人を迎えに来ること)をまって浄土往生が決定するという多念義の説。または、両者の論争のこと。
今月の言葉(B)
「遺産なき母が 唯一のものとして残してゆく死を
子らよ受けとれ」 (小説家 岡本かの子師)
そういう目に見える遺産はきちんと相続方法などが定めてあるのですが、しばしば争いの元になったり、意外と子どもを育てないような気がします。
親の最大の役目が子どもを育てる(一人前にする)ことだとしたら、親が身をもって生きる基(もとい)を示し、相続させたいものです。
残念ながらそれは目に見えず、相続方法などもしっかりと定められていません。数字で表されていません。でも、それは何分の一ずつかに分ける必要がなく、兄弟が何人いてもそれぞれが親の遺産を丸ごと相続できるのです。相続税の課税もなく、従って、節税対策もいりません。何と効率の良い遺産相続でしょうか。
※岡本かの子・・・1889~1939、東京生まれ。大正、昭和期の小説家、歌人、仏教研究家。漫画家岡本一平と結婚し、芸術家岡本太郎を生んだ。なんとも不思議な結婚生活を送った。
《法事は遅らせてはダメ?》 …A3仏教 2019.12

その場合は普通、ご命日より繰り上げてお勤めします。
「法事を繰り上げる」という習慣には、一旦遅れると次から次へと予定が入ってつい、ご法事を行わずに過ごしてしまうことになりかねないから、そうならないようにという戒めの意味が込められています。
つまり、ご法事はそれほど大切なこと、という意味でしょう。
従って、ご命日の後に遅れて行うことは絶対にダメということではなく、場合によってはそういうことがあるかもしれません。もしご命日までにできなかった、あるいは忙しさのためについ忘れていまった時などは、思い出した時に必ずお勤めしましょう。「忙」は心(リッシンベン)を亡くすと書きます。
そして最後に「今月の言葉(B)」に関連して言えば、ご法事を勤めることはきっと子どもさん方に相続させるべき素晴らしい遺産になるのだと思います。