今月の言葉(2020年1

※「今月の言葉」は、山門(A)と通用門(B)の各掲示板に毎月初めに掲示します。
   (山門脇の「言葉」は、真宗教団連合発行の「法語カレンダー」より)
※恥ずかしながら、住職が揮毫した「言葉」を掲示しています。
※本年は昨年の「A3仏教」に代わり、当寺をご紹介する画像を加えます。宗圓寺をより身近に感じていただければうれしいです。

昨年まではできる範囲で「今月の言葉」に解説やちょっとしたコメント等を添えていましたが、多忙により、不本意ながらそれらを省くことにしました。どうか、ご了承ください。


今月の言葉(A)

「人も草木も虫も 同じものは一つもない
   おなじでなくて みな光る」   (瓜生津隆真師


今月の言葉(B) 

「拝むところに恵まれる世界が開ける   (篠田龍雄師



[今月の画像]

宗圓寺のご本尊 阿弥陀如来様


















(昭和20年3月の空襲で本堂は焼失しましたが、ご本尊は疎開させてご無事でした。)


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住職の友人住職が、このご本尊について一文を認めてくれました。2006年10月発行の『宗圓寺報』に掲載したものですが、ここに再掲します。

「宗圓寺の阿弥陀さまのおすがた」

         真楽寺(しんらくじ)住職  正覚智成(しょうがくちじょう)

 みなさま、はじめまして。私は鹿児島県の真楽寺住職で、宗圓寺ご住職の大学時代の後輩になります。
 五月初旬、住職ご夫妻を表敬訪問し、本堂にお参りさせていただきました。そのとき感動して「宗圓寺の阿弥陀さまは『観経』の世界ですね」と発したようです。その言葉の真意を「寺報」に書いてほしいということでご縁を戴きました。
 『仏説観無量寿経』(観経)は、マガダ国の王妃、イダイケが苦しみから救われていくことが説かれています。お釈迦さまのいとこであるダイバダッタにそそのかされたわが子、アジャセ王子によって、夫ビンバシャラ王が殺され、自身も牢獄に幽閉されました。イダイケに請われてお釈迦さまが直接説法され、迷える夫人を念仏によって救われるように導かれたのです。『観経』はイダイケだけでなく、苦しみの中のすべての人間を救うために説かれたお経であると云えます。
 『観経』の中で、お釈迦さまは念仏をすすめる手立ての一つとして華座観(けざかん 華座とは蓮華の台座。観は、憶いを巡らすこと)を説かれていますが、お釈迦さまが華座観を説かれるとき、阿弥陀さまが空中にすがたを現わしてお立ちになられたのです。ここに、お釈迦さまと阿弥陀さまのお出会いがあるのです。この阿弥陀さまのお立ちすがたを浄土真宗本願寺派のお寺では、ご本尊のおすがたとしています。私がその言葉を発したのは、阿弥陀さまが目の前の空中にお立ちになり、やさしく微笑んでいらっしゃる、『観経』の世界のおすがたを想ったからなのです。
 色も形もない、影もつくらない阿弥陀さまの光の世界は、至らぬところはない。この私のために、金色の衣を着て、立っていてくださる宗圓寺での阿弥陀さまのおすがたを拝すると、すなおにありがたく思えたのです。 合掌

  ・・「お釈迦さまと阿弥陀さまのお出会い」、何と素晴らしい光景でしょう。
     遠路訪問・参詣してくれた正覚師の「感動」に感動した住職でした。